予防救急を始めましょう
「予防救急とは」のページでも掲載したとおり、急病による救急搬送は、全救急出動の約60%を占めています。急病の原因として生活習慣が関係していることが非常に多く、まずは健康的な生活を送ることが予防の第一歩になります。その取り組みとして基本となってくるのが、皆さんもご存知かもしれませんが「バランスのとれた食事」と「適度な運動」です。 このページでは、食事と運動に関する具体的な取り組みと、介護予防・ロコモ(ロコモティブシンドローム=運動器症候群…寝たきりを引き起こす運動器の病気)予防にもつながる元気な身体づくりについて紹介します。 |
バランスのとれた食事
● | 「バランスのとれた食事」とは | |
「食事バランスガイド」でも示されているとおり、ごはんなどの主食を基本として、野菜や海藻などの副菜、肉・魚・豆などのタンパク質を主体とした主菜、乳製品や果物を組み合わせた食事のことです。 体に良い成分だからといって何か1つの食材を多く食べたり、ダイエットのために何か1つの食材を全く食べなかったりという方法は、体に必要な栄養素の摂取過多や摂取不足を起こしやすいため、オススメはできません。全ての栄養素には、不足した時にも摂りすぎた時にもリスクがあります。 |
サプリメントや野菜ジュースなどは食事の補助として考え、いろいろな食品をバランスよく食べて、栄養は食品から摂取するように心掛けましょう。1日の食事の中でバランスをとることが難しければ、1週間単位で考えるなどの方法をとることもできます。 バランスをとるための簡単なコツは、食事に3色の食材を揃えるようにすることです。主食はごはん・麺類など糖質中心の「黄」、主菜は肉・魚・豆などタンパク質中心の「赤」、副菜は野菜や海藻などの「緑」と覚えておけば簡単です。三大栄養素である「炭水化物」「タンパク質」「脂質」をバランスよく摂るようにしましょう。 |
● | 成人に必要なカロリーと適度な腹囲 | |
成人が1日に必要なカロリーは「標準体重×25~30キロカロリー」です。標準体重は「身長(m)×身長(m)×22」で算出することができます。身長が165cmの人であれば、1.65×1.65×22で標準体重は60kg、1日に必要なカロリーは1500~1800キロカロリーとなります。減量が必要な人や活動量が少ない人、高齢の方は少ないほうのカロリーを基準にしましょう。 ただ、標準体重はあくまで目安です。標準体重を超えていても筋肉質の方もいますし、標準体重以内でも肥満の方もいます。内臓脂肪は、腹囲を測る(へその高さで)ことでチェックすることができます。男性は85cm以上、女性は90cm以上でメタボリックシンドローム診断の条件の1つになります。 |
適度な運動
● | 運動の効果 | |
運動をすると…骨が丈夫になる、柔らかくなる、疲れにくくなる、血液がきれいになる、体型が良くなる、脳が活性化される、免疫力が高まる、痛みが緩和する、気持ちが元気になる…。ざっと挙げただけでも、運動にはこんなにたくさんの「良いこと」があります。 「疲れているから…」「腰やひざが痛いから…」と動かないでいるよりも、自分の体と相談しながら、無理のない範囲で運動をすることでリフレッシュすることができ、介護予防・ロコモ(ロコモティブシンドローム=運動器症候群…寝たきりを引き起こす運動器の病気)予防にもつながります。 |
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● | 「適度な運動」とは | |
まずは運動習慣をもち、30分以上の運動を週2日以上行うことを心がけましょう。注意することとして、高血圧の人は激しい運動を避けるなど、病院に通っている方は、担当のお医者さんに運動量について相談をすることが必要です。 年齢別の運動目安として、18~64歳の人は歩行や歩行以上の活動を毎日60分以上、65歳以上の人は横になったり座ったりしたままでもいいので、毎日40分以上活動することが大切です。 慣れてきたら、家族や近所の方と一緒に、軽く息が切れる程度の歩行を毎日20分程度は行うようにしましょう。 |
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● | 予防救急=介護予防・ロコモ予防 | |
予防救急に取り組むことは、介護予防・ロコモ(ロコモティブシンドローム=運動器症候群…寝たきりを引き起こす運動器の病気)予防に取り組むことと同じです。まずは若いうちに、筋力や体力のピークを高めておき、それを維持するための取り組みを習慣化することが大切です。 日頃の運動では決まった動きになりがちで、体の中に強いところと弱いところができてしまう可能性があります。まだ元気に動けるうちから始めることも大切ですが、始めるのに遅いということはありません。 次は、毎日できる簡単な運動を紹介します。自分の体と相談しながら、無理のない程度に、今日からひとつずつ生活に取り入れてみませんか? |
毎日できる簡単な運動
● | 目が覚めたら、目覚ましがてら取り組みましょう | ||
① | 布団の中で大きく「伸び」をします。息を止めないように気をつけましょう。 | ||
② | 足の指で「グー・チョキ・パー」を5回くらいやってみましょう。「チョキ」が難しい場合は「グー・パー」だけでも構いません。 | ||
③ | 足首を曲げたり伸ばしたりします。ゆっくりと10回くらい動かしましょう。 | ||
④ | ひざを曲げたり伸ばしたりします。もも上げのイメージで、仰向けのまま左右交互に片足10回くらい動かしましょう。 | ||
⑤ | 30秒くらい、うつ伏せになってから置きましょう。 | ||
※ | 朝は必ず水分(温かいお茶や水)補給をしましょう。また、自律神経に働きかけるためにも、お湯ではなく水で顔を洗うことをお勧めします。 |
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● | 気付いた時に取り組みましょう | ||
① | 歩くときは、つま先をしっかり上げて、少し大股で歩いてみましょう。 | ||
② | 大きく10回くらい足踏みをします。壁やテーブルなどに手をついて、背筋を伸ばして、ひざを高く上げましょう。 | ||
③ | 肩幅くらいに足を開いて、ゆっくり10回くらいつま先立ちになります。壁やテーブルに手をついて、軽く体を支えましょう。できる人は片足ずつやってみましょう。 | ||
④ | 体を大きく開いて深呼吸をします。胸とお腹にたくさん空気を吸い込んで、体の中にある空気を入れ替えるイメージで行いましょう。 | ||
⑤ | 手を握ったり開いたりします。指が大きく動くように強く握って大きく開くことを意識して、10回くらい行いましょう。簡単にできる人は、手を真っすぐ前に伸ばしてやってみましょう。 | ||
⑥ | 体のいろいろなところを、ひねります。手首やひじ、腰や足などを大きくゆっくり、体の外側と内側にひねりましょう。 |